横谷宣さんの事

週末、gallery Bauhausさんで行われたギャラリートーク「旅する絨毯」を拝聴してきた。
このトークは、現在開催中の横谷宣さんの個展に合わせて開催されたもので、登壇者は写真家の横谷さん、小松義夫さん、そして作家の田中真知さんの御三方。いずれも若い頃から世界中を旅して回っている旅の達人たち。さぞや面白い話が聴けるだろうと、楽しみにしていた。
http://www.gallery-bauhaus.com/130605_yokotani.html

中でも、個人的に注目していたのは、横谷宣さんのお話。
氏の作品は、写真でありながら絵画の様でもあり、そのマチエールは、一度見たら決して忘れることができない。
自身の理想の風合いを得るために、レンズを自作。また、愛用していた印画紙が製造中止になると、4年の試行錯誤の末、自ら作り上げてしまった。もちろん採算は度外視、全ては自身の納得できる作品を産み出すためである。
こんな写真家が他にいるだろうか?
そのこだわりは、直に作品を拝見すると、さらに合点がいく。独特の光線の調度、ボケ具合など、まさに唯一無二の世界観がそこにある。

今後の展望を尋ねられた時、既に頭の中には次の作品のビジョンが存在しているので、おそらく20年後ぐらいには、まとまった形で公表出来るだろうという様な旨のお話をされていた。それを聴いて、僕ははっとさせられた。昨今のサイクルの早いアートシーンに置いていかれては駄目だという強迫観念にいつしか捕われていた自分に気づかされたからだ。

僕は、横谷さんの様な方が、同時代に生き、この日本で活動をされている事に、何より鼓舞されるのだ。
プロフィール

中道耕平

Author:中道耕平
画家です。
空間の中にたゆたう叙情や空気を表現したいと思っています。

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